2018年07月07日

漢方の本場は中国、と誤解していない?

この度の大雨等により被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

数十年に1度と言われる大雨。

災害が少ない岡山でのこの状況に混乱されている方も多いかと思いますが、まずご自身の身の安全を最優先に行動してください。

寿元堂薬局からのお知らせがございます。

岡山リビング新聞社 様で「リビングくらしき」の連載をさせていただいていますが、この度「リビングおかやま」での連載を新たに始めさせていただくことになりました。

岡山では初めての連載ですので、最初は漢方の全体的なことから書いていこうと思っています。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

漢方薬の剤型(煎薬、顆粒剤、錠剤).jpg

以下、リビング新聞(おかやま)の「ここが知りたい漢方」の更新です(30/7/7号)

漢方は、日本の伝統医学です。しかし、多くの人は「漢方の本場は中国」だと思っています。

なぜなのでしょうか。

漢方の歴史をたどってみましょう。

日本に古い中国の伝統医学が伝わったのは大和時代。

室町時代に伝わった李朱(りしゅ)医学が、日本の気候風土や日本人の体質に合わせて独自に変化したものが漢方です。

江戸時代に伝わってきたオランダ医学(西洋医学)を蘭方と呼んだのに対して、当時の日本の医学を漢方と呼んで区別したのが「漢方」という言葉の始まりです。

文明開化の風潮に流された明治初期までは、日本の医学といえば漢方でした。

しかし、明治政府が求めたものは軍事医学に優れた西洋医学だけだったのです。

明治8年には、それまでの主流医学である漢方ではなく、西洋医学中心の医術開業試験制度(現在の医師国家試験)が制定されました。

そのため、漢方は衰退の一途をたどることに…。

そんな中、漢方の必要性に気付いていた極めてわずかな人たちの間で、日本の伝統的な漢方薬の使い方は継承されました。

そして、昭和32年に漢方エキス製剤が誕生し、その後は徐々に漢方薬が見直されてきました。

しかし、一度廃れてしまった漢方の誤解だらけの情報〞が氾濫し、その流れを残したまま現在に至ってしまっています。

漢方と西洋医学は考え方も得意分野も異なる医学です。

西洋医学で対応が難しい病気でも、漢方が効果的なものもあります。

また、両者を併用するとよいケースもあります。

専門家に相談しながら、両者の良いところを上手に利用しましょう。

(北山 恵理)


posted by なつめ at 00:00| ここが知りたい漢方

2018年07月03日

腎の働きと関係が多い耳鳴り

6月29日、関東甲信地方が梅雨明けしたと発表されました。

そして、台風まで㔟力を増しています。

ここ最近、体が乱れて不調を訴えている方続出ですが、日本というか地球も乱れております(;ω;)

気候が乱れる時に相談の増える耳鳴について、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(30/6/30号)

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耳鳴りは周囲の音に関係なく、耳の中で発生する雑音です。

本人にしか分からない自覚的耳鳴りが大部分で、まれに血管や筋肉などから実際に音が出ている他覚的耳鳴りの人がいます。

目まいなどを伴うことが多く、聴力の減退である耳聾(じろう)の前段階で耳鳴りがすることもあります。

キーンといった高音やゴーという低音、セミの鳴いているようなジーという音などさまざまで
す。

江戸時代の尾張徳川家の藩医・浅井貞庵によって著された「方彙口訣(ほういくけつ)」には、
「太鼓の音やセミの声のごとく、また音楽合奏をするごとく鳴り続けるものがある」とあり、昔からいろいろな音の耳鳴りの相談を受けていたことが分かります。

漢方では、腎臓や生殖機能を含めた「腎」の働きが耳の症状と関係していることが多いと考えられます。

セミの鳴くような音がするときは腎の働きの低下を補う六味丸(ろくみがん)、高齢の人や体力の衰えた人などには八味丸(はちみがん)などが利用されます。

また、癇症(かんしょう)で頭痛があるような場合は釣藤散(ちょうとうさん)、体力があり体格が頑丈であれば大柴胡湯(だいさいことう)、肥満体質であれば防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などが利用されることがあります。

西洋医学で苦手分野であったとしても、漢方で改善することは少なくありません。

一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

(北山 良和)

posted by なつめ at 12:44| リビング新聞−よもやま話−

2018年06月23日

オオバコの種子も生薬の一つ

小さい頃、オオバコで友達と引っ張り相撲をしたことは良い想い出です。

遠い昔のことですが・・・(笑)

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オオバコの種子は生薬(しょうやく)としても用いられ、漢方薬に含まれることも。

そんなオオバコをテーマに、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(30/6/23号)

子どもの頃、よく引っ張りっこをして遊んだオオバコ。春から秋にかけて花茎を伸ばし、長い花穂に白い小花を下から順に咲かせて実をつけます。葉が広くて大きいため、大葉子と呼ばれるようになったそうです。

オオバコの種子は水に接すると、外表皮に含まれる成分によって粘液を生じます。

その粘液によって、馬車や牛車、人の足に付着して繁殖するため人が通る場所に生えています。馬車や牛車が通る道端に多いことから、「車前草(しゃぜんそう)」とも呼ばれています。

「足跡を残す」という花言葉は、この繁殖の仕方に由来があるのでしょう。

オオバコの種子は「車前子(しゃぜんし)」といって、漢方薬の原料である生薬(しょうやく)として用いられています。

消炎、利尿、去痰(きょたん)、鎮咳(ちんがい)などの作用があるとされており、いろいろな漢方薬に含まれます。

一般的な漢方薬では、疲れやすく、冷え、腰痛がある人に適することが多い牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)という薬に含まれています。

また、比較的体力があり、尿量が少なめで濃く、膀胱(ぼうこう)炎を繰り返すような人に適することが多い竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)にも含まれています。

生薬には、私たちの身近なものもあります。

しかし、漢方薬は複数の生薬を組み合わせた複雑なものです。専門家に相談しながら上手に服用しましょう。

(北山 恵理)

posted by なつめ at 16:00| リビング新聞−よもやま話−