2016年12月10日

病名にとらわれてはいけない!

もう12月の3分の1が過ぎてしましました。

早い!!

私はやり残したと思うことを1つでも減らせるようにフル稼働しています!

さて、今回のよもやま話の記事は「病名にとらわれてはいけない!」というものです。

「風邪には葛根湯」などという、いわゆる病名漢方では、漢方薬の本来の効果は引き出せません。

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今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(28/12/10号)

漢方薬はその人に適した薬を選ぶことで、本来の効果が得られます。

適する漢方薬を選ぶ時には、相手の症状、体質、見た目などいろいろなことが手掛かりになります。

得られた手掛かりから、その症状を改善するために適切な生薬(しょうやく)が組み合わさった漢方薬を選びます。

例えば、女神散(にょしんさん)は、イライラやのぼせなどの症状の改善を目標に、女性の更年期症状などによく用いられる漢方薬です。

元々は安栄湯(あんえいとう)と呼ばれていました。

「勿誤薬宝方函口訣(ふつごやくほういくけつ)」という古典には「この方(処方)は元、安栄湯と名づけて軍中七気を治する方なり」と書かれています。

江戸時代に、精神的にも肉体的にも過酷な状況下で戦う兵士たちの神経症(戦争ノイローゼなど)を治すのにも用いられていたのです。

そして、女性特有の症状にもよく効くことから、漢方界最後の名医といわれる浅田宗伯によって、「女神散」と命名されました。

女神散という名前から女性向けの漢方薬と思われがちですが、症状さえ適すれば男女を問わず使用するのです。 

このように、漢方の世界で重要なのは、むやみに病名にとらわれないことです。

最近はインターネットなどで簡単にさまざまな情報が手に入る時代ですが、病名だけを目安に漢方薬を選んでいる情報も少なくありません。

専門家に相談して、適した漢方薬を試しましょう。

(北山 恵理)
posted by なつめ at 00:00| リビング新聞−よもやま話−

2016年12月08日

免疫力を高める漢方薬はありますか

もう12月!

師走というだけあって、寿元堂もバタバタしております!

そんな中遅れてしまいましたが、リビング新聞の漢方Q&Aの更新(28/12/3号)です。

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Q.免疫力を高める漢方薬はありますか

 「漢方で免疫力を高めて未病≠撃退しよう」と、最近のテレビや雑誌で頻繁に取り上げられ気になっています。免疫力を高める作用のある漢方薬があれば知りたいのですが…。(58歳・女性)

A.漢方で「不特定多数の人に同じ薬」はありません

 私たちの体には、体内に侵入した病原菌や毒素などの異物に対抗する能力が備わっており、これを免疫といいます。免疫には自然免疫と獲得免疫があります。

 自然免疫は、私たちの体に生まれながらに備わっているケガや病気を治す力、つまり自然治癒力の中で大きな役割を果たしています。

 後天的に獲得される免疫を獲得免疫といいますが、例えば、麻疹(はしか)は一度患ったら免疫ができて二度目はかからないといわれていたように、異物ごとに免疫の仕組みをつくります。本来、免疫という言葉の意味は獲得免疫のことでした。

 しかし今では、自然治癒力や抵抗力などの生体防御の仕組みの全ての意味を含めて免疫という表現をすることが多いようです。

 世間ではいつの頃からか、病気を治すためや病気にならないために免疫力を高める≠ネどという表現が増えてきました。そしてそのために特定のサプリメントや健康食品、或いは漢方薬などを推奨している場面に出合うと、少し戸惑いを感じます。

 特に漢方の立場では、特定の病名や症状だけを目安にして薬を選ぶことはありません。また免疫力を高める≠ネどという特定の目的のために、不特定の人に同じものを飲んでもらうこともありません。

 漢方は、個人の体質や症状などを含めた全身状態に適した薬を選用することで不調を改善したり、健康を維持したりするのです。そして、体調が改善されること自体が、いわゆる免疫力を高める≠アとを含めて諸々が改善された結果なのです。

 つまり免疫力を高める≠ニいう表現の効果はすべての漢方薬の基本なのですから、わざわざ、特別な効能と考える必要はありません。今のあなたの状態に適する漢方薬を選ぶことが免疫力を高める≠スめの漢方薬を飲むことになるのです。

 さて、未病は未ダ病ニアラズ≠ニいうことで、病気になろうとしているが、まだ発症していない状態をいいます。本人に病気として気になる症状はなく、病院の検査でも異常がありません。

 2000年以上も前の古い中国の書には、名医は未病を治すが普通の医者は已病(いびょう=既になった病気、つまり今ある病気)を治す、などと書かれています。

 何となく疲れやすい、体がだるい、冷えを感じる、肩が凝るなど、わずかな症状でもあれば、体質などを含めた目安に基づいて漢方薬を使うことで未病を治し、病気を防ぎます。

 詳しくは漢方の専門家にご相談ください。

(北山進三)


posted by なつめ at 16:10| リビング新聞−漢方Q&A−