2017年01月26日

効き目の強さが変わる剤形

あっっ!!

という間に1月が終わろうとしています。

今日は旧暦の旧正月。

日本でも横浜や神戸の中華街なんかは春節の行事があるみたいですが、今日は賑やかにお祝いしているのかしら。

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さて、今週のリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/1/28号)

病院で処方してもらったり、ドラッグストアで購入したりして、顆粒(かりゅう)剤や錠剤の漢方薬を飲んだことがある人は多いことでしょう。

漢方薬の消費量の大部分がこの2種ですが、他にもいろいろな剤形があるので少し紹介しましょう。

「煎じ薬」は生薬(しょうやく)を火にかけ、煎じたものです。漢方薬本来の剤形で、漢方専門薬局ではよく利用します。

「丸剤」は粉末を蜂蜜などで固めたもので、ゆっくり、持続的に効かせたい漢方薬に選ばれます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や八味丸(はちみがん)は本来、丸剤で利用されていました。

「膏(こう)薬」は外用薬のことで、紫雲膏、中黄膏などがあります。

「洗薬」は生薬を煎じた液体で患部を洗ったり湿布するもの。

その一つ、苦参湯(くじんとう)は、苦参(クララの根)を煎じた液体で、湿疹や痔(じ)などに用います。

「酒剤」は酒を利用するものです。酒で煎じたり、酒で薬を飲むもので、漢方の古典には多く記載されています。

生薬を酒に漬ける、いわゆる薬用酒とは違うものです。

「吸い出し膏」は膏薬の形です。皮膚の下に膿(うみ)があり、なかなか出ないときに貼ると膿が出るというものです。

現在、洗薬、酒剤、吸い出し膏はほぼ利用されなくなり、剤形の種類も少なくなっています。

剤形によって、効き目の強さや手軽さなどが大きく変わります。詳しくは漢方の専門家にお尋ねください。

(北山 良和)
posted by なつめ at 18:07| リビング新聞−よもやま話−