遠い昔のことですが・・・(笑)

オオバコの種子は生薬(しょうやく)としても用いられ、漢方薬に含まれることも。
そんなオオバコをテーマに、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(30/6/23号)
子どもの頃、よく引っ張りっこをして遊んだオオバコ。春から秋にかけて花茎を伸ばし、長い花穂に白い小花を下から順に咲かせて実をつけます。葉が広くて大きいため、大葉子と呼ばれるようになったそうです。
オオバコの種子は水に接すると、外表皮に含まれる成分によって粘液を生じます。
その粘液によって、馬車や牛車、人の足に付着して繁殖するため人が通る場所に生えています。馬車や牛車が通る道端に多いことから、「車前草(しゃぜんそう)」とも呼ばれています。
「足跡を残す」という花言葉は、この繁殖の仕方に由来があるのでしょう。
オオバコの種子は「車前子(しゃぜんし)」といって、漢方薬の原料である生薬(しょうやく)として用いられています。
消炎、利尿、去痰(きょたん)、鎮咳(ちんがい)などの作用があるとされており、いろいろな漢方薬に含まれます。
一般的な漢方薬では、疲れやすく、冷え、腰痛がある人に適することが多い牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)という薬に含まれています。
また、比較的体力があり、尿量が少なめで濃く、膀胱(ぼうこう)炎を繰り返すような人に適することが多い竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)にも含まれています。
生薬には、私たちの身近なものもあります。
しかし、漢方薬は複数の生薬を組み合わせた複雑なものです。専門家に相談しながら上手に服用しましょう。
(北山 恵理)
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