相変わらず暑い日が続いており、まさに“酷暑”。
気象庁も「災害と認識」するほどの“酷暑”。
漢方も上手に利用して暑さに負けないよう過ごしましょう!!
では、今週のリビング新聞の漢方Q&A(2018/8/4号)の更新です。

Q.酷暑のバテ、漢方薬でしのげますか?
今夏の暑さに悩まされています。クーラーの効きも悪く、過ごしにくい日が続いています。夏バテに効く漢方薬があると聞きましたが、手軽に飲めるものがあるでしょうか。(69歳、女性)
A.昔から暑気あたりの漢方が使われています
今年の夏は尋常でない暑さです。
私が小学生だった頃、新聞に「30℃を超えた猛暑」という見出しの記事が出ていたことを思い出しました。当時は夏に30℃を超えることが驚きだったのです。ところが今年は40℃を超えたことが報道されています。
わずか60年ほどの間に、夏の暑さが10℃も上がりました。7月24日の時点で日中の最高気温が35℃以上の猛暑日が10日も続いており、予報ではしばらく猛暑が続くということです。
今はクーラーがあるとはいうものの、この猛暑の影響は甚大、熱中症で救急搬送された人が全国で2万人以上にも及び、何十人もの人が亡くなられています。
お医者さんのお世話にならなくてもよいように、平素から夏の健康を考えて暑さ対策をするには漢方が役に立つと思います。
暑気あたりのことを漢方では中暑(ちゅうしょ)といい、暑さに中(あた)るという意味です。今年の中暑は、身体の外も内も熱くなり、「恰(あたか)も極暑日照りの節に屋根の尾(鬼瓦のように屋根に載ってる飾り瓦)の灼(や)ける如く、真底までも灼け附けることぞ」という古典の表現のままのような気がします。
中暑がひどくなると注夏病(夏痩せ)になり、「気分も何んとなく衰えて気難しく、一身に力無く、痩せ衰えて、食も進まず。此の症が多くあること也」と古典にあります。
今年の夏は、いきなり猛暑が続いたので、痩せる間もなく注夏病になる人が増えたのでしょう。
このような状態には、身体にこもった熱を冷ますとともに、元気を補うことが大切です。
中暑に使われる漢方薬はいろいろありますが、現在一般的に使われる漢方薬の一つに清暑益気湯(せいしょえっきとう)があります。
中国・明の時代に著された「医学六要(いがくりくよう)」という書に載り、高麗人参をはじめ9種の生薬(しょうやく)の組み合わせです。古典には、「兎角暑邪に打たれて元気の弱るの、老人や虚弱の者や、大病の後に好い。熱は翕々(ぼかぼか)と有りて身体の疲れたるに用いる」とあり、暑気を払い、よく元気を補う薬です。
人参、麦門冬(ばくもんどう)、五味子(ごみし)という3種の組み合わせの生脈散(しょうみゃくさん)は、中暑の軽症や予防に使われます。
平素から疲れやすい人は、「元気の虚弱の人が暑邪に打ち負けたる症に用いる」と古典にある補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を中暑のときだけでなく、持薬として飲んで元気な体になりましょう。
(北山進三)
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