聞いたところによると昨日は今年で1番花粉が飛散していたようで、薬局に花粉症の薬を求めに来られる方が多く、他の相談で来られる方も鼻水に悩まされている方が多かったです。
これから暖かさが増すにつれて不安になりますが、自分に適した薬を見つけましょう!
今週もリビング新聞(岡山)の「ここが知りたい漢方」の更新です(2019/3/9号)

今年も花粉症の季節がやってきます。
既に症状が出て悩んでいる人もいるのでは?
花粉症はアレルギー疾患の一つ。
スギ花粉などのアレルギー物質が鼻や目の粘膜に付着すると、過剰な免疫反応によって症状が表れます。
花粉症の代表的な症状といえば、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。中でも、とめどなくあふれてくる水のような鼻水が特徴的です。
西洋医学では、粘膜の過敏性を少なくする抗アレルギー剤などで一時的に症状を抑えます。
一方、漢方では体質改善を目指し、症状が出なくなることを目的にします。
さらさらした鼻水が垂れ、くしゃみが出て困るような時によく用いられる漢方薬に、小青龍湯
(しょうせいりゅうとう)があります。
この薬は、体の中から温め、鼻水やくしゃみなどの体内の余分な水分を排出してくれる生薬(しょうやく)から構成されています。
小青龍湯のほかにも、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)や葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうか
せんきゅうしんい)など、花粉症の症状に用いられる薬は多くあります。
その中から、飲む人の症状や体質に適するものを選ぶことが大切です。
もし、錠剤や粉薬の小青龍湯を試して効果がなければ、漢方薬本来の形である煎じ薬で試してみるのもよいでしょう。
私自身、花粉症で困っている時、粉薬では症状が治まりませんでした。
そこで、粉薬で飲んだ漢方薬を煎じて飲んだところ約10分後には症状が治まった経験があります。
薬の剤型によって効果が異なることを身をもって実感できた貴重な経験ですが、改めて驚いたものです。
花粉症では、漢方薬は西洋薬の対症療法のような即効性が望める場合ばかりではありません。
通常は1〜2週間以内に効果が実感できる場合がほとんどですが、体質改善を目的とするなら長く飲み続けた方がよいでしょう。
漢方薬は西洋薬との併用も可能です。
継続していくうちに、次第に西洋薬の必要性が減り、最終的には漢方薬も不要になるでしょう。
(北山 恵理)
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