2016年10月20日

冷えを感じている方、そろそろご注意を!

冷え症の皆様、寒くなり始めたこの時期から身体を冷やさないようご注意ください!!

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漢方薬局に生まれ育った私ですが、お恥ずかしいことにかなりの冷え症です。

そんな私ですが元々は冷え症だなと感じることはなく、高校生くらいまでは特に人一倍寒がりという自覚もありませんでした。

しかし県外の大学に通っていた時、少しでも汗をかくのが嫌で真夏には冷房をガンガンにつけ、一年中冷たい飲みものを好んでがぶがぶ飲んでいました。

自分が居心地の良いように、特に食事にも気を遣うことなく一人暮らしを満喫していた私。

限度をわきまえず、身体に悪い環境の中に自ら身を置いていました。

そんな生活を続けているうちに冬に指先が冷たくなって「冷え症なのかな?」と思ったことは何度かありましたが、季節のものだと思っていましたし「皆寒いって言ってるしなー」「寒さよりお洒落!」と大して気にしていませんでした。アホです(つд-。)

岡山に帰ってきてからも同じような生活を続けており、そんな不摂生がたたったのか4年ほど前から急に冷えを強く感じるようになりました。

師匠にその時の事を話すと「愚かな・・・」と哀れみの目で見られます(´A`。)

10年前に戻れるなら、思いっきり自分を叱り飛ばしたい・・・(*゚□ ゚*)

今思い返せば、冷えを感じること、その頻度や強さは年々少しずつひどくなっていっていたように思います。

症状の出てくる予兆であり、冷えを抑えられない身体のヘルプサインだったのかもしれません。

4年前の私は、真夏でも寝る時は靴下を履いて長袖のパジャマを着て、冷房はつけても29度。今の時期は、既にカイロが必要でした。真冬は拷問です。

真夏や真冬は、私と家族の間でエアコンの温度の上げ下げで無言の攻防が繰り広げられていました。

そんなひどく冷えていた私ですが、煎じ薬を飲んでいて1年くらいで冷えがじわじわ改善していっているのを感じています。

去年は冬に足首に貼っていたカイロが1枚減りました。

今年は、この時期にカイロがなくても、まだ手の温かい日が続いています。真夏に半袖のパジャマが着れるようになりました。

長年積み重ねて作り上げた冷えた身体ですので、それをほぐしていくのは大変なことだと身をもって実感しています。

ですが、寿元堂薬局に来られる症状の軽い方だと、中には1〜2週間で手足がポカポカするのを感じる方も少なくありません。

去年しもやけの相談に来られた方の中には、煎じ薬を飲んだ翌日に手が温かくなっているのを感じた方もいらっしゃったなぁ。

人によって体質、症状の治まり方、治まる速度は異なるので比較しても意味がないのですが、羨ましい限りです・・・(´A`。)

師匠から、冷え症で悩んでいた高齢の男性の大工さんのお話しを聞かせてもらいました。

その方はかなりの冷え症で、真夏でも厚いももひき(若い方わかりますか?タイツの男性版みたいなものです)を3枚履いていたそう。

病院に行っても対応できる薬がなく困って漢方を飲んでみようと思われて寿元堂薬局にいらっしゃいました。

漢方薬を飲んでいるうちに徐々に冷えが改善し、毎年1枚ずつももひきが脱げていき大変喜ばれたとのこと。

冷えが固まってしまっており時間はかかったようですが、私の希望に繋がりました。

「冷えている」と一言で言ってしまうと、私は今も「冷えてます」。

しかし、「冷えている」時期が少なくなり、「冷えている」場所が少しずつ狭まり、どれだけ変わるのだろう、と楽しみに思う自分もいます。

最初は「煎じ薬を飲んでいるのに劇的な効果がない。まだこんなに冷えてる。本当に改善するのかな?」と焦る気持ちがありましたが、師匠のお客様の話もあり、段々と「効果の高い煎じ薬を飲んでいても、変化がゆっくりだということは、それだけ冷えが強かったということだ。」と認めることができるようになりました。

そして、自分の身体を大事にしようと以前より強く思えるようになりました。

今は真夏でも氷の入っている飲み物は極力控えるようにしていますし、少しでも冷えを感じると我慢せず対応するようにしています。

自分の身体は1つしかありません!

私のように後悔することがないよう、不調を感じた時は無理せず養生してくださいね(●・ω・)b
posted by なつめ at 19:00| 漢方

2016年08月03日

漢方薬の剤型とその効果

7/2号のリビング新聞での記事「『顆粒も煎じ薬も効果は同じ』ですか?」でお伝えしたように、漢方薬と言ってもその剤型も品質も色々です。

漢方薬を剤型の種類でざっと分けると

@煎剤(せんざい)…煎じ薬(せんじぐすり)のことです
A顆粒剤(かりゅうざい)…粉の薬のことです
B錠剤(じょうざい)


の3つです。(丸剤などの剤型もありますが、今回は触れません)

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この中で皆さんにとって1番馴染みのない剤型は煎じ薬ではないでしょうか(。・ω・)ノ゙

「『煎じ薬』ってどんなものか想像つかないです。どんなものなのですか?」と皆さんよく聞かれます。

そもそも漢方薬とは?

漢方薬は何種類かの生薬(しょうやく)を組み合わせたものです。

生薬とは、薬として効能がある植物やら動物やら鉱物のことで、漢方薬の原料です。

有名な葛根湯という漢方薬は、葛根(かっこん)・桂枝(けいし)・麻黄(まおう)・芍薬(しゃくやく)・甘草(かんぞう)・大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)という7種類の生薬を組み合わせたものです。

生薬というと聞き慣れないかもしてませんが、葛根はお菓子や料理に使われるくず粉の原料ですし、桂枝はシナモンとして知られています。芍薬の根は生薬として使われますが、芍薬のお花は見たことのある方も多いでしょう。大棗はナツメのこと。言わずもがな、生姜とはショウガのことです。

このように、生薬として使われるものの中には私たちの身近なものもあります。

身近でない生薬をあげれば、竜骨(りゅうこつ)という大型の哺乳類の骨の化石やら、鹿茸(ろくじょう)という鹿の角があったりします(゚д゚;)

そして、煎じ薬とは何種類かの生薬を組み合わせた漢方薬をコトコト煮つめてできる薬液のことです。

カレーが煎じ薬だとすれば、人参やジャガイモ、タマネギやお肉などの材料が生薬です。

そして、顆粒剤や錠剤の多くは、煎じ薬のエキス成分を抽出して作ったエキス製剤です。

イメージしやすいように例えるなら、焙煎豆をひいて入れたコーヒーが煎じ薬、顆粒剤や錠剤がインスタントコーヒーといったところでしょうか。

最近、寿元堂薬局に来られる方でエキス製剤を漢方薬本来のかたちだと思っている方が少なくありません。

病院などで処方される医療保険の漢方薬だと顆粒剤か錠剤がほとんどですから、そんな風に思ってしまうのも仕方がないのかもしれませんが、昭和の中頃までは皆コトコト煎じていたのですよ(。・ω・)ノ゙

では、それぞれの剤型のメリット・デメリットを簡単に挙げていきますね。

まず、エキス製剤のメリットとしては

 ・煎じる手間がかからない
 ・味も香りも煎じ薬ほど強くないので、苦手な方には飲みやすい
 ・保存や携帯に便利
 ・病院で処方してもらえば健康保険が適応できる


デメリットとしては

 ・煎じ薬と比較すると効果が弱い
 ・製薬会社が決められた処方(漢方薬の名前:葛根湯など)を作っているため、種類が限られる


次に、煎じ薬のメリットとしては

 ・漢方薬本来の効果をひきだせる
 ・エキス製剤と比較して処方の種類が多い


デメリットとしては

 ・煎じる手間がかかる
 ・味や匂いが独特
 ・持ち運びや保存がしにくい

※ただし、現在では寿元堂薬局で煎じた煎じ薬をアルミパックに詰めてお渡しできるため、これらの問題は解決できます。アルミパック関してはまた別の記事で紹介します。

こうして箇条書きにすると手軽なエキス製剤に心が動いてしまいそうになりますが、やはり1番大きな差は効果の違いでしょう。

最近、煎じ薬でもエキス製剤でも処方(漢方薬の名前:葛根湯や抑肝散など)が同じであれば効果が同じと思っている方が本当に多いのですが、

エキス製剤と煎じ薬の効果は同じではありません!!


問屋さんの中には、エキス製剤を2倍、3倍飲んでも煎じ薬の効果には及ばないだろう、と言っている方もいらっしゃいます。

師匠が漢方を勉強していた頃は、「葛根湯は原則として妊婦に飲ませてはいけない、飲ませたとしても非常に慎重に経過を観察しながら飲ませなければいけない」という風潮だったようです。

それがいつの間にやら、「葛根湯は妊婦の風邪薬」として、妊婦さんに葛根湯のエキス製剤が処方されることも多くあり師匠も大変驚いたそうです。

それでも妊婦さんに不都合なことが起こるなどの問題になったことはありません。

このようなことからも、煎じ薬とエキス製剤の効果の違いがわかりますね。

ネット上でエキス製剤と煎じ薬の効果は同じと書かれている情報を見かけたことがありますが、寿元堂薬局での経験ではエキス製剤と煎薬の効果には差があります。

病院で処方されたエキス製剤では効果のなかった方に、そのエキス製剤と同じ種類の煎じ薬を飲んでいただいて効果があったというお客様も少なくありません。

もちろんエキス製剤で驚くような効果が見える敏感な方もいらっしゃいますので、そういう方には煎じ薬は必要ありませんね。

しかし、寿元堂薬局には色々な病院を回ってどうにもならない方、西洋薬で症状が改善しているけど西洋薬を長く続けたくない方、純粋に漢方薬に興味のある方など様々な方々がいらっしゃいます。

やはり、西洋医学で対応が難しいお悩みをお持ちの方はエキス製剤の効果では症状に効果が届かない場合も多く、煎じ薬を飲んでいる方が大半です。

漢方薬の効果の決め手は、主に剤型と生薬の品質の良し悪しの2つによって大きく左右されます。

剤型が煎じ薬だからと言って、一概に良いわけではありません。

今日お伝えしたのは、あくまで品質の良い生薬を使ってつくられた煎じ薬とエキス製剤での比較です。

あまり良くない品質の生薬でつくられた煎じ薬と、品質の良いエキス製剤で比較した場合は、もしかしたらエキス製剤の方が効果があるかもしれません。
posted by なつめ at 00:00| 漢方

2016年04月27日

漢方薬は日本の医学

色々な誤解をされやすい漢方ですが、少しでも正しい漢方の知識が広まるように少しずつ記事を更新していきます。

まず、1番誤解の多いこの話題から・・・

漢方はどこの国の医学かご存知でしょうか?

中国?

いいえ、違います。

漢方はれっきとした日本の伝統医学です。

寿元堂薬局に来られるお客様もほとんど全員と言っていいほど、「漢方は中国のもの」と思われています(^_^;)

しかし、漢方とは中国の古い医学が日本に伝わり、日本人の体質や日本の気候に適するように日本独自に発展したものであり、まさに日本の伝統医学なのです。

ただ、漢方は中国のものと誤解されるのも理由があります。

漢方の起源が古い中国の医学であること。

そのため、薬の原料である薬草も中国から輸入されるものが多くあります。

昔の中国のドラマや映画で薬草を使っている場面を見て、それが漢方だと思っていたと言われている方もおられました。

漢方にあまり馴染みがないと、誤解をしてしまうのは仕方がないことかもしれません。

現在の主流は西洋医学ですが、江戸時代では漢方医学が主流でした。

漢方の全盛期は江戸時代であり、今でも江戸時代の古典から新しい発見をすることは多々あると師匠である北山進三(きたやましんぞう)先生は言っています。


『古典はいつも新しい』


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師匠の師匠である故柴田良治(しばたよしはる)先生の言葉です。

最初に聞いた時は意味がよくわかりませんでしたが、漢方に携わっているうちに「古典は先人達の経験と知識の宝庫である」という意味が少しずつわかるようになりました。

今では私の好きな言葉の1つです。
posted by なつめ at 00:00| 漢方