2017年09月30日

生薬にもなる秋の七草

今年の中秋の名月は10月4日です。

お月見のお供え物といえばススキのイメージがありますが、昔はススキを含む秋の七草を飾っていたそうです(*^_^*)

皆さんは秋の七草言えますか?

今回は秋の七草をテーマに、リビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/9/30号)

207862.jpg

春の七草は、1月7日に七草粥を食べる風習としてよく知られていますが、秋にも七草があることは意外と知られていないようです。

秋の七草は万葉集に収められている山上憶良(やまのうえのおくら)の2首で1組となる歌が始まりです。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」

「萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花また藤袴 朝貌の花」

最初の歌で「秋の野に咲いている花を指折り数えてみれば7種類の花がある」と歌い、次の歌で「萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と歌っています。尾花はススキ、朝貌は桔梗(ききょう)が定説です。

春の七草は無病息災を祈願するものですが、秋の七草はその美しさを観賞して楽しむものです。

七草のうち萩と尾花以外の5種類は生薬(しょうやく)として利用されることがあります。

葛は根を使用し、生薬名を葛根(かっこん)といいます。

撫子は地上部の全草を使用する瞿麦(くばく)、女郎花は全草を使用する敗醤(はいしょう)・根だけを使用する敗醤根、藤袴は全草を使用する蘭草(らんそう)、桔梗は根を使用して生薬名も桔梗です。

意外と身近に生薬で使用される植物が関係していることがあります。

少し意識してみるのも面白いかもしれません。

(北山 良和)
posted by なつめ at 13:48| リビング新聞−よもやま話−

2017年09月23日

物忘れ≠ノ効く「遠志」とは? !

1度覚えたら忘れない頭が欲しいと昔から願っていましたが、一向に叶う様子はありません。試験の時にはドラえもんに出てくる「暗記パンがあれば・・・」とずっと思っていました。しかし、あれって短期間しか記憶がもたないんですよね。

先週末は台風が珍しく岡山を直撃してました。

上手いことそれてくれて、「さすが晴れの国おかやま!」と言いたかったのですが残念です(;ω;)

さて、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/9/23号)

753041.jpg

医薬品として、物忘れに対する効能を取得した「遠志(おんじ)」という生薬(しょうやく)が、最近注目を浴びています。

遠志は、ヒメハギ科のイトヒメハギの根を薬用部位として用います。

精神を安定させる作用に加え、強力ではないものの去痰(きょたん)作用もあるとされています。 

漢方薬は数種類の生薬から構成されるため、遠志を単独で用いることはありませんが、物忘れの症状に用いる漢方薬の中に、遠志を含むものがあるので紹介します。

代表的なものでは「帰脾湯(きひとう)」という薬があり、宋の時代の医学書『厳氏済生方(げんしさいせいほう)』に載っています。

しかし、当初の帰脾湯には、遠志が含まれておらず10種類の生薬で構成されていました。

遠志は明の時代以降に、当帰とともに加えられたのです。

それが現在の帰脾湯の基になっており、遠志、竜眼肉(りゅうがんにく)、酸棗仁(さんそうにん)など精神に作用する生薬をはじめ、実に12 種類もの生薬から構成されています。

虚弱体質で貧血傾向にあり、不安、健忘、不眠などの症状がある人に適することが多い薬で、月経不順、子宮出血などにも用いることもある応用範囲が広い薬です。

物忘れに対する漢方薬は帰脾湯だけではなく、その中に遠志を含まない漢方薬も多数あります。

漢方薬を試す際には、遠志の効能にこだわりすぎず、専門家に相談するのがよいでしょう。

(北山 恵理)

posted by なつめ at 16:07| リビング新聞−よもやま話−

2017年08月26日

夏の疲労に試したい牛黄とは

前回のテーマ、セミの脱け殻が生薬だということに驚く方も多いですが、牛の胆石が生薬だということも驚かれる方は多いです。

とっても貴重なもので、品質の良いものになるとさらに希少なものになってしまいますが、品質の良い牛黄は元気をつけるにはもってこいの優れもの。

そんな牛黄をテーマに今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/8/26号)

462628.jpg

夏の暑さの影響や日々のストレスの蓄積もあり、この時期は慢性的な疲労で体の不調を訴える人が多くいます。

漢方では、体調を崩している人や元々疲れやすい人のことを虚証(きょしょう)や虚の状態と表し、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などさまざまな漢方薬で虚を補います。

中でも牛黄(ごおう)は、肉体疲労に対しての即効性、飲み続けることで慢性的な疲労や虚弱体質の改善が期待できる漢方薬です。

牛黄は、牛2000〜3000頭に1頭しかできないといわれる胆石を乾燥した希少なもの。

オーストラリア、ニュージーランド、北米、南米などで多く摂れ、日本では大半を輸入しています。

直径1〜4pの球形または不定形で、破砕面には赤褐色から黄褐色の層紋があり、通常は粉末にしたものを飲みます。

牛黄にはビリルビン系色素、胆汁酸、コレステロール、アミノ酸類などの成分が含まれ、強心、鎮静、鎮痙(ちんけい)、造血、解熱、解毒などの作用があります。

体をよく補い丈夫にするほか、肝臓と心臓の機能増強を目的として頻用されます。

他の生薬(しょうやく)と配合されることが多く、心臓の薬など古くから伝わる日本の家伝薬にも牛黄が含まれるものが多く残っています。

疲れがなかなか取れないときなど、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

(北山 良和)

posted by なつめ at 16:00| リビング新聞−よもやま話−