2017年12月09日

くすりの神様・神農さん

以前、濱口さんにいただいたお湯呑みにも描かれていた神農さん。

中国の伝説上の人物ですが、大阪の薬問屋の町として知られている道修町(どしょうまち)では「神農さん」として親しまれています。

そんな神農さんについて、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/12/16号)

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漢方は日本の伝統医学です。

5世紀ごろから日本に伝わってきた中国の伝統医学が、日本人の体質や気候風土に適するように日本独自に変革した医学が漢方です。

そのため、現代の中国の医学である中医学は、漢方とは別の考え方の医学です。

しかし、漢方薬(漢方医学の薬)と中薬(中医学の薬)の原料である生薬(しょうやく)には、両医学で同じものを用いることが多くあります。

そんな生薬について書かれた最古の書物とされるのが「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」です。

365種類の生薬について効能が示されており、それらは、生命を養う上品(じょうほん)、体力を養う中品(ちゅうほん)、治療薬である下品(げほん)に分類されています。

また、書名にもある神農は、古代中国の伝説の皇帝であり、人身で牛の首を持っていたといわれています。

「1日に100草をなめて70もの毒を知った」とされている神農は、薬草をなめている姿が有名ですが、神農の腹部は透明で、毒を食べれば内臓が黒くなったため毒の有無を判別できたという話もあります。

自らの経験で薬草の毒の有無や効能を確かめ、人々に伝えたとされることから、神農は医薬と農耕の祖とあがめられ、広くまつられてきました。

日本でもくすりの神様として現在もなお親しまれている神農さん。

寿元堂薬局でも、その実践主義の研究を敬い、薬局のシンボルとしています。

(北山 恵理)

posted by なつめ at 15:00| リビング新聞−よもやま話−

2017年11月25日

胃の不調を改善する漢方薬

年末に向けて段々と街が賑やかになってきましたね(*^_^*)

先週末はブラックフライデーで一足先にセールもやってましたね!

この時期、何もなくてもそわそわしてしまうのは私だけでしょうか?

今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/11/25号)

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今年も残り1カ月余り。

これからのシーズン、忘年会などが増え、つい暴飲暴食をしてしまう人もいるでしょう。

漢方薬に食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃の不調を改善するものは多くあります。

その中に食欲不振、腹部膨満感、食後に腹が鳴り下痢をする時などに利用される平胃散(へいいさん)があります。

これは中国・宋の時代に裴宋元(はいえいげん)や陳師文(ちんしぶん)らによって編さんされたとされる医学書「和剤局方」に記載されています。

蒼朮(そうじゅつ)・厚朴(こうぼく)・陳皮(ちんぴ)・生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)・甘草(かんぞう)の6種類の生薬(しょうやく)が含まれます。

そして、平胃散に麦芽(ばくが)・神麴(しんぎく)・山査子(さんざし)という消化に特化した生薬が加えられた加味平胃散(かみへいいさん)があります。

麦芽は発芽したイネ科オオムギの穎果(えいか)、神麴はコメを蒸して酵母菌によって発酵させた麴、山査子はバラ科落葉低木のサンザシや高木のミサンザシの成熟果実を乾燥したものです。

麦芽・神麴はでんぷんの消化に優れ、米類や麺類などの消化を促し、山査子はタンパク質・脂質の消化に優れ、肉類の消化を促すとされています。

加味平胃散は消化不良、食欲不振を改善し、胃腸をスッキリさせ、暴飲暴食による胃腸障害によく利用されます。

年末には漢方薬が重宝するかもしれません。

(北山 良和)

posted by なつめ at 17:39| リビング新聞−よもやま話−

2017年11月18日

楊貴妃も好んで食した棗

食欲の秋。読書の秋。スポーツの秋。

そして、イベントの秋ですね!

今年はお天気に恵まれないことが多かったですが、週末になるといろんなところでイベントが開催されていましたね。

Jugendo Daily Styleとして、寿元堂のお茶をイベントで販売するときに一緒に持って行っていたのが棗(なつめ)です。

皆さん棗を見ると、「昔おやつに食べていたから懐かしい」という方や、「棗?なにそれ?食べれるの?」って方までいろいろでした。

11/19(日)に倉敷芸文館で開催される「パピママ祭り」にも持って行きます(*^_^*)

そんな棗について、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(29/11/18号)

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漢方薬の原料である生薬(しょうやく)には、植物・動物・鉱物などが用いられます。

植物由来のものが圧倒的に多く、葉・茎・根など薬用部位はそれぞれで、果実を用いるものもあります。その中から今回は、棗(なつめ)を紹介します。

棗はクロウメモドキ科ナツメ属の落葉広葉樹になる果実。初夏に芽が出ることが名前の由来だそうです。

日本では昔から庭園樹などに使われることが多かったようですが、最近では見掛けることが少なくなりました。

一方、中国では楊貴妃が好んで食べたとされ、「一日食三棗 終生不顕老」(1日3粒の棗を食べれば老いない)という言葉も残っているほど。

棗は生のままでも食べることができ、リンゴのような食感でほんのり甘くおいしい果実です。

棗の生薬名は大棗(たいそう)といいます。

胃腸の元気をつけたり、精神を落ち着ける働きがあるとされる以外に、他の生薬の刺激性を緩和させる矯味としても実に多くの漢方薬に含まれます。

棗を含む漢方薬には、虚弱で貧血傾向で、胃腸が弱い人に適することが多い六君子湯(りっくんしとう)、悲しみが強い人や赤ちゃんの夜泣きに使われることが多い甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)などがあります。 

漢方薬の効果の方向性は、構成生薬の1つだけでは判断することができません。

その漢方薬全体をみることが大切です。

漢方薬を試す際には専門家に相談しましょう。

(北山 恵理)

posted by なつめ at 14:01| リビング新聞−よもやま話−