2017年12月02日

八味地黄丸で元気になりますか

師走に突入しましたね!!

ここから早いですよ〜

やり残したことがないよう、最後の1ヶ月は忘年会で発散しながら駆け抜けましょう!!

さて、今月のリビング新聞の漢方Q&A(29/12/2号)の更新です。

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Q.八味地黄丸で元気になりますか

 疲れやすいことを病院で相談して八味地黄丸を飲んでいます。インターネットで調べると、排尿回数の不調を整えることが書かれていました。私には思い当たる不調はないのですが、八味地黄丸でよいのでしょうか。(43歳、女性)

A.応用範囲の広い薬、違いを分かって利用を

 日本の伝統医学である漢方本来の薬の使い方は結構難しいものです。漢方医学には、現代の考え方とは異なる独特の手法があります。

 しかし、西洋医学の先生が漢方薬も扱っている日本独特の事情から、西洋医学の感覚で漢方薬が使われることが多くなりました。ちなみに、医療用漢方薬(健康保険適用の漢方薬)の多くは西洋医学的な漢方薬の使い方なのです。

 医療用の八味地黄丸の効能効果をメーカー別に挙げてみました。

 A社 「疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症/腎炎、糖尿病、陰萎、座骨神経痛、腰痛、かっけ、膀胱(ぼうこう)カタル、前立腺肥大、高血圧」

 B社 「疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で、ときに口渇がある次の諸症/下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ」

 C社 「下腹部軟弱、腰に冷痛あり、尿利減少または頻数で、全身または手足に熱感あるものの次の諸症/慢性腎炎、糖尿病、水腫、かっけのむくみ、膀胱カタル、腰痛、五十肩、肩凝り」

 これらとあなたの症状を総合的に判断して先生が選んでくれた薬ですから、よく相談しながら続けるとよいでしょう。

 漢方ではどうでしょうか。八味地黄丸は西暦210年ごろの中国の書に載り、脚から下腹までしびれる状態、衰弱して腰痛し、尿が出にくい状態、口渇が強くて水を多く飲んで排尿回数が多い状態、婦人で下腹が痛んで尿が出にくい状態などに使われました。時代を経て、今では高血圧症、糖尿病、腎炎、膀胱炎、前立腺肥大症、白内障、腰痛、耳鳴り、難聴その他の多くの病気に使われるようになっています。

 応用範囲が広い八味地黄丸ですが、漢方では五臓の腎の働きが弱る腎虚の状態に使われます。元気を蓄える腎が弱ると下半身が衰弱した状態になります。そして、下半身の疲労脱力、多尿、頻尿、尿利減少、手足のほてりや冷え、口渇や口乾などがあることがあり、舌にこけがなく、胃腸障害がないなどを目安にして使いますが、見分けにくいケースも多いものです。

 さて、漢方薬の使い方は漢方と西洋医学の立場によって異なることが多く、同じ漢方薬でも効果の出方が変わることがあります。西洋医学の立場で使われる漢方薬には漢方薬という名の西洋薬≠ニ思えるような使い方が少なくありません。

 使い方の違いはどうであれ効けばよいのですが、違いを知っておくのもよいでしょう。

(北山進三)
posted by なつめ at 15:40| リビング新聞−漢方Q&A−

2017年11月04日

漢方でホルモンの乱れを整えたい

久しぶりに良いお天気!!

やっぱりお日様が出るとあたたかくて気持ちいいですね(*^_^*)

昨日は暑かったという声もちらほら・・・。

この3連休、岡山でも色々なイベントが開催されています。

Jugendo Daily Styleのお茶も岡山表町商店街で開催されている、中四国最大級の商業祭「大誓文払い」の中に参加しています♪

そして、今回は大誓文払いに「ストライプマルシェ」も入って賑わいが増していますよ〜!

皆さん、連休を思う存分楽しんでくださいね♪

土曜日お仕事の人は一緒に頑張りましょう!!(*^_^*)

さて、今月のリビング新聞の漢方Q&A(29/11/4号)の更新です。

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Q.漢方でホルモンの乱れを整えたい

 毎月、生理の前にイライラを強く感じ、頭痛があります。病院では月経前症候群と診断され、女性ホルモンのバランスが乱れていることが原因だと言われました。乱れを整えるのに適した漢方薬はあるでしょうか。(36歳、女性)

A.「未病を治す」漢方の貴重な効果も期待大

 月経前症候群は、排卵後の女性ホルモンの乱れが影響して、頭痛、頭重、イライラ、腹痛、眠気などさまざまな症状が出るものです。

 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあり、両者の微妙なバランスが崩れると体調が乱れるのです。

 女性ホルモンのバランスの乱れは、月経前症候群、月経不順、無月経、月経痛、更年期障害のほか、子宮や卵巣の病気にもなりやすく、子宮がんや乳がんにも関係しているとされています。

 西洋医学ではホルモン補充療法で対応することがあります。しかし、漢方の効果も見逃すことはできません。

 女性ホルモンのバランスの乱れを漢方では瘀血(おけつ)の一種と考えます。当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、桃仁(とうにん)など、駆瘀血(くおけつ)作用(瘀血をなくす作用)のある生薬(しょうやく)を中心に絶妙に組み合わされた漢方薬の中から、一人一人の体質と症状など全身状態に適したものを続けて飲むと良いのです。穏やかにホルモンバランスが整って、不快な症状がなくなっていきます。

 さらに、体調が改善された状態が続くと、「未病を治す」という漢方の効果も期待できます。これは現在では予防医学の考え方です。高齢社会の日本では、貴重な効果といえるでしょう。

 寿元堂薬局の経験でも、女性の病気には漢方が効果を表すことが多いものです。あなたも一度漢方を試してみるとよいでしょう。女性によく利用される代表的な漢方薬を幾つか紹介します。

◆当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 
 中国で2000年前に創られた薬です。元は妊婦の強い腹痛をはじめ、婦人のさまざまな腹痛を治すために使われました。長い時代の経験を重ねて、今では、冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすい女性の病気に広く使われています。

◆加味逍遙散(かみしょうようさん)  加味逍遙散(かみしょうようさん)
 中国の明の時代に創られた薬です。婦人の神経症状を伴なうさまざまな病気に応用され、疲れやすく、頭重、目まい、不眠、イライラ、のぼせなどのある人に使われます。

 
◆桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)  
 これも紀元前後から使われてきた薬です。元は、おなかの中に塊のできる病気がある婦人の妊娠の異常に使われましたが、今では、比較的体力があり、肩凝り、頭重、目まい、のぼせなどのある女性の病気に広く使われます。

 このほかにも、女性の病気に使われる漢方薬はたくさんあります。専門家にご相談ください。

(北山進三)
posted by なつめ at 13:34| リビング新聞−漢方Q&A−

2017年10月06日

胃によい漢方薬がありますか?

天高く馬肥ゆる秋とはよく言ったもので、過ごしやすい気候はもちろんですが食べ物が美味しいですよね!

個人的にホクホクしたものが大好きなので、秋はついつい食べ過ぎてしまって困ります・・・。

なんて言うだけで、美味しいから食べると幸せな気分になって満足してます(笑)

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さて、今月のリビング新聞の漢方Q&A(29/10/7号)の更新です。

Q.胃によい漢方薬がありますか?

 食後によく胃がもたれることがあり、食欲もありません。漢方薬を試したいと思いますが、胃もたれがなくなって、食欲が出るような漢方薬があるでしょうか。(40歳、女性)

A.平素から胃を元気にする漢方薬を持薬に

 食欲の秋にはおいしいものをたくさん食べたいですね。

 漢方のふるさとである中国の金の時代の李東垣(り・とうえん/1180〜1251年)は、消化器の働きを補って元気をつけることが病気を治す根本であるとの説を唱えました。この流派は多くの薬を創りましたが、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などは、今もよく利用されます。

 半夏白朮天麻湯は、黄柏(おうばく)、乾姜(かんきょう)、天麻、蒼朮(そうじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、黄耆(おうぎ)、沢瀉(たくしゃ)、人参(にんじん)、白朮、神麹(しんぎく)半夏、麦芽(ばくが)、陳皮(ちんぴ)、生姜(しょうきょう)という多くの種類の生薬(しょうやく)が配合された薬で、胃腸が弱く、めまいや立ちくらみ、頭痛などがある人に多く使われます。

 補中益気湯は、黄耆、甘草(かんぞう)、人参、升麻(しょうま)、柴胡(さいこ)、陳皮、当帰(とうき)、白朮、生姜、大棗(たいそう)の組み合わせで、虚弱で元気がなく、疲れやすい人を元気にする働きがあります。

 さて、胃の不調を整える漢方薬には、さまざまなものがあります。

 ご質問の方のように、食後によく胃がもたれる症状には、平胃散(へいいさん)または加味(かみ)平胃散がよいかもしれません。食べ過ぎや飲み過ぎなどの消化不良による胃のもたれを改善します。

 平胃散は、陳皮、厚朴(こうぼく)、甘草、蒼朮、生姜、大棗を混ぜて散剤にしたものです。今では散剤はそのまま飲むと思っている人が多いのですが、平胃散は散剤を水で煎じて飲むのが正式です。

 平胃散に神麴(しんぎく)、山査子(さんざし)、麦芽(ばくが)など消化を助ける生薬を配合したものが加味平胃散です。

 どちらも食後の胃もたれに使われる機会が多い薬です。

 もし過食が思い当たらなくても、胃弱の人には通常の食事の量でも胃の負担になることがあるので注意が必要です。

 平素から胃の働きが弱い人には、胃を元気にする漢方薬を持薬にするとよいでしょう。

 四君子湯(しくんしとう)や六君子湯(りっくんしとう)は胃の働きを補い、虚弱な胃を元気にしていきます。

 そのほか、胃の痛みや痞(つか)え、胸やけなど、さまざまな症状に効果的な漢方薬があります。

 専門家によく相談して、ご自身に適した漢方薬を選んでください。

(北山進三)
posted by なつめ at 16:02| リビング新聞−漢方Q&A−