2018年01月27日

枸杞の実はスーパーフード!

「ゴジベリー」で一躍有名になった枸杞の実。

横文字でお洒落な名前だと漢方とは無縁のように思えますが、漢方では昔から「枸杞子(くこし)」という生薬として用いられてきました。

そんな枸杞の実をテーマに、今週もリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(30/1/27号)

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近年スーパーフードとして注目される食品が幾つかありますが、その一つ「ゴジベリー」は、枸杞(くこ)の実のことです。

杏仁豆腐にトッピングされている赤い実≠ニ言った方が分かりやすいかもしれません。

枸杞の実は、生薬(しょうやく)の名を「枸杞子(くこし)」といい、主に強壮作用を目的として利用されます。

中国最古の薬物書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」では、「命を養う」薬とされる上品(じょうほん)に分類され、「久しく服用すると、筋骨をしっかりさせ、身を軽くし老いない」とあり、古くからその効果が認識されていたことが伺えます。

さらに枸杞は、葉を枸杞葉、根の皮を地骨皮という生薬として利用されます。

「楊貴妃(719〜756年)は美容のために枸杞を食べていた」「文徳天皇(827〜858年)は枸杞を栽培する庭園を所有しており、この庭園の管理人が枸杞をいつも食べていたため120歳まで生きた」などの逸話が残っています。

また、夏目漱石が正岡子規へ送った句「枸杞の垣田楽焼くは此奥か」、与謝蕪村が詠んだ句「枸杞垣の似たるに迷う都人」にも登場しています。

現在でも眼精疲労などに良いとされる杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)に配合されたり、料理での利用や枸杞酒として親しまれています。

約2000年以上前から重宝されている生薬が改めて注目されることは面白いものです。

(北山 良和)

posted by なつめ at 16:00| リビング新聞−よもやま話−

2018年01月20日

ぎっくり腰に漢方薬が重宝!?

ぎっくり腰。

昨年、人生初のぎっくり腰を経験しました。

今まで何度か周りでなっている人の姿を見て、大変だなぁ、と思っていたものの、実際になってみると想像をはるかに超えるしんどさでした。

寿元堂薬局でもぎっくり腰を何度か繰り返される方の中には、万が一のために漢方薬をお守りとして持っている方もいらっしゃるのも頷けます。

今週は、ぎっくり腰の体験にもとづくリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(30/1/20号)

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人生で初めて「ぎっくり腰」を経験しました。昨年12月、急に寒さが増してきたころでした。

ぎっくり腰は急性腰痛症の一つとされており、激しい痛みからヨーロッパでは「魔女の一撃」といわれるほど。

「月=にくづき」に「要=かなめ」と書く「腰」が不自由だと、ありとあらゆる日常生活に支障を来すため頭を抱えたものです。

ぎっくり腰の原因は、はっきりと解明されていませんが、1度経験すると繰り返すことも多いようです。

一般的に、ぎっくり腰に漢方を用いるイメージはあまりないようですが、このたびのぎっくり腰には漢方薬が大変重宝しました。

初めてのぎっくり腰の痛みに驚きながら漢方薬を試してみると、薬を服用して間もなく腰の痛みが和らいだのです。

その後、慎重に薬を減量し、すっかり元気に動けるようになりました。

ぎっくり腰をはじめ腰痛に用いる漢方薬は、疎経活血湯(そけいかっけつとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、五積散(ごしゃくさん)など多くあるため、漢方薬を試す場合には専門家に相談された方がよいでしょう。

また、腰痛のほか、むち打ち損傷、打撲などの外傷にも漢方薬が奏効する場合が多くあります。

時間が経ち、それらの症状が固まってしまうとやっかいです。

困った時は、早めに漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。


(北山 恵理)

posted by なつめ at 14:00| リビング新聞−よもやま話−

2018年01月13日

飲み過ぎの人に良い漢方薬は?

忘年会や新年会で、年末年始はアルコールを摂取する機会が多く、肝藏が大忙しです!

今回は、お酒を飲み過ぎた時をテーマに記事を書いた、リビング新聞の漢方Q&A(2018/1/7号)の更新です。

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Q.飲み過ぎの人に良い漢方薬は?

 年末は忘年会、お正月は新年会と、お酒を飲み過ぎて不調です。アルコールで疲れた肝臓を元気にしてくれる漢方薬を紹介してください。(55歳、男性)

A.二日酔いから肝臓障害の人まで多様な薬が

 明けましておめでとうございます。三が日にはお酒はつきもの。屠蘇(とそ)酒に口を付けただけの人から、お酒にどっぷりと浸かった人までさまざまでしょう。花は半開(五分咲き)を看(み)、酒は微酔(びすい/ほろよい)に飲むのがよいといいますが、なかなかそうはいかないものです。

 中国・後漢の時代の書「漢書(かんじょ)」には天の美禄と謳(うた)われ、この頃には、「傷寒論(しょうかんろん)」という処方集も著されており、漢方にもお酒に関わりのあるものが少なくありません。

 例えば、古典には「酒ニ傷(やぶら)レバ悪心(おしん)嘔逆(おうぎゃく)シ、宿酒ヲ吐出シテ、昏冒(こんぼう)眩暈(げんうん)シ、頭痛破ルガ如シ」などと記されています。これは深酒をした後の悪心、嘔吐、めがくらむ、めまい、頭痛の症状などのこと。たらふく飲んでしまって二日酔いで苦しむのは、昔の人も同じだったようです。酒に傷(やぶ)れる「傷酒」(しょうしゅ)や酒にあたる「中酒」(ちゅうしゅ)という言葉も使われます。

 多くの漢方薬が飲酒による不調の改善に使われますが、現在手軽に使えるものを紹介してみましょう。

 二日酔いで嘔吐、下痢し、口渇があれば五苓散(ごれいさん)が使われます。体内に溜まった余分な水分をさばいて症状を除きます。のぼせたり、いらいらしてじっとしていられなくなったりした時には黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を飲むと気分がすっきりしやすいものです。

 また、二日酔いのように一時の酒害ならまだしも、酒好きの人が気になるのは内臓に対する負担。過度の飲酒を続けた結果、肝機能が弱ると、胸から脇にかけて充満感(胸脇苦満)が出ることがあります。この症状があるときに使われるのが、柴胡が主として含まれた大柴胡湯(だいさいことう)、小柴胡湯、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)などです。胸脇苦満のある人は平素から飲み続けると肝機能の改善に役立ちます。また、小柴胡湯と五苓散を合わせて作る柴苓湯(さいれいとう)も使われます。

 肝臓障害を起こして黄疸が出れば酒疸(しゅたん)といいます。酒疸には五苓散に茵蔯(いんちん)を加えた茵蔯五苓散や茵蔯蒿湯(こうとう)などが用いられます。

 平素からの飲酒家が胃腸を傷めて元気をなくし、手足に力が無く、食欲もなくなり、顔色も赤くなってしまったときには補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を用いて元気を補います。

 このように守備範囲が広い漢方の効果を、上手に利用したいものです。

(北山進三)
posted by なつめ at 00:00| リビング新聞−漢方Q&A−