2019年04月06日

外傷に対応する漢方の効果とは!

羽生選手、怪我がクセになってしまっているよう・・・。

漢方薬を試してみたらいいのになぁと思います。

今週もリビング新聞(岡山)の「ここが知りたい漢方」の更新です(2019/4/6号)

漢方薬の剤型(煎薬、顆粒剤、錠剤)A.jpg

先日行われた世界フィギアスケート選手権で日本の男子選手が見事な演技を披露し、銀メダルに
輝きました。

その選手が望む結果にならなかったことは残念ですが、彼が気にしていたのは右足首の調子です。

捻挫などは繰り返し症状が出ることが多いようです。

さて、明治時代に漢方が衰退した要因の一つに、戦場での外傷に対する応急手当が西洋医学よりも劣っていたことが挙げられます。

その流れは明治時代以降ますます広がり、現代では外傷に対して漢方が思いのほか役立つことがあることは忘れ去られています。

しかし、西洋医学が重視されるようになるまで日本の医療を支えてきた漢方には、多くの外傷にも対応してきた歴史があります。

そうした漢方の効果の中には、西洋医学にはない貴重なものがあるのです。

西洋医学では原因がはっきりせず長く悩まされている頸椎(けいつい)捻挫の痛み、骨折した場所や手術跡のあたりがいつまでたっても痛むなどの症状が、漢方薬の服用で改善していくことは少なくありません。

漢方では、外傷の原因を瘀血(おけつ)と考えます。

血の循環が滞った状態で、内出血を想像すると分かりやすいでしょう。

そのため、駆瘀血剤(くおけつざい)といわれる瘀血をさばく漢方薬が利用されます。

駆瘀血剤というと婦人科の症状に利用するものと思われがちですが、瘀血が原因のさまざまな症状に利用されます。

駆瘀血剤で一般的に外傷に利用されているものが幾つかあるのでご紹介しましょう。

腫れや痛みが激しく、比較的体力があり便秘傾向の人に利用する桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、皮下出血が広範囲にあるときや軽度の頸椎捻挫に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、腫れや痛みのほか、筋骨の疼痛(とうつう)が長引くときには「打撲を治す薬」という意味の名が付けられた治打撲一方(ちだぼくいっぽう)などが利用されています。

西洋医学の治療でなかなか改善せずに悩んでいるときは漢方の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

(北山 恵理)

2019年03月30日

良質な睡眠、とれていますか

岡山の桜の見頃はもう少し先でしょうか?

お花見シーズンのこの季節、体が乱れている方が多いです。

というか、今年に入って乱れている方が多いです(;ω;)

春眠暁を覚えず、というように眠くて仕方がない方もいらっしゃいますし、環境に変化がある方などは気が落ち着かず今まで通りに寝ているのに熟睡感を得られないという方もいらっしゃいます。

体に不満のない方は、快食・快便・快眠ができている状態とよく言われますが、そのうち快眠は肉体・精神を回復させるために必要不可欠なもの。

今週は睡眠についてリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(31/3/30号)

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節目を迎えたり、新生活が始まったりするこの時期は、慌ただしい生活を送られている人も多いでしょう。

そんな気ぜわしい時には、これまで通りに睡眠をとっても熟睡感を得られなかったり、寝付きが悪くなったりすることが少なくありません。

さて、漢方では不眠≠フことを不寐(ふび)≠ニもいいます。

漢方薬を選ぶ際は、不眠の症状以外にも全身の状態を観察し、それに応じた適切な薬を用いることで、自然に眠れるように導きます。漢方薬はその人の体の状態を整えてくれるのです。

ですから、漢方医学には、誰が飲んでも強制的に眠気を誘うような西洋医学の睡眠薬に該当するものはありません。 

睡眠が必要な人には眠りを促すよう働き、また、質の良い睡眠を得られるよう働くため、睡眠をとり過ぎている人は、場合によっては熟睡感はあるけれど睡眠時間が短くなることも考えられます。

十分な睡眠がとれているにもかかわらず日中強い眠気に襲われる過眠症の人に用いる薬と、眠りたいけれど眠れない睡眠障害の人に用いる薬が同じこともあるのです。

漢方薬は本当に不思議なものです。

睡眠以外のどんな病気でも、診断名だけでは適切な薬を選ぶことはできません。

診断名が同じでも、服用する人の体質や症状によって適する薬は異なりますから、漢方の専門家に相談しながら、上手に利用しましょう。

(北山 恵理)
posted by なつめ at 00:00| リビング新聞−よもやま話−

2019年03月23日

歯槽膿漏に効く漢方薬がありますか?

口の中のお悩みは、歯医者さんでないと解決できないと思っている人も多いでしょう。

実は漢方は、歯周病や歯槽膿漏、歯根嚢胞、口内炎は得意分野です。

もちろん100%ではありませんが、結構高い確率でよくなられる方がいらっしゃいます。

そんな口の中のお悩みに用いられる漢方について、今週のリビング新聞の漢方Q&A(2019/3/9号)の更新です。

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Q.歯槽膿漏に効く漢方薬がありますか?

 数年前から歯槽膿漏(しそうのうろう)で悩んでいます。以前、歯茎が緩んで抜いた歯があり、今も別の歯を抜かないといけないと言われています。歯槽膿漏にも漢方が効くと聞いたのですが、本当でしょうか。(68歳、女性)

A.口の中の治りにくい病気に漢方を

 漢方でも口の中の病気に対応してきた長い歴史があります。西洋医学の進歩によって漢方の役割は随分減りました。しかし、歯槽膿漏や口内炎に対する効果など、役に立つ素晴らしい価値も多く残っています。

 歯槽膿漏(歯周炎)は、歯を支えている周囲の組織が悪くなる病気です。

 少しずつ進行していきますが、初期では、痛みや違和感を感じることはありません。ある程度悪くなると、歯茎(歯肉)の色が悪くなり、出血しやすくなり、歯茎が腫れて、押すと膿汁(のうじゅう)が出るようになります。そして、歯を支えている骨が破壊され、歯は抜けてしまいます。

 つまり、痛みはあまりないままに、いつの間にやら歯がぐらぐらして、ついには抜けてしまうという病気です。

 口の中にいる多くの細菌のうち十数種類が歯槽膿漏の原因となり、それらが増殖することによって歯槽膿漏が悪化しますが、個人の健康状態や歯の周りの清潔さなどに大きな影響を受けます。

 歯槽膿漏の多くは漢方薬を飲むだけで改善し、出血や膿(うみ)がなくなり、緩んだ歯茎がしっかりしてくるものです。

 私が歯槽膿漏に対する漢方の効果に驚いたのは30年ほど前です。たった数日間漢方薬を飲んでもらっただけで歯茎が引き締まって盛り上がるという信じられないケースを経験したのです。

 ほかにも、歯槽膿漏が悪化を続けて一本ずつ歯を抜いていた人が、残り2本になったときから漢方薬を飲み始め、数カ月分の薬を飲んだだけで20年以上も症状が治まったことがあります。

 1カ月もしない間に、緩んだ歯茎が締まったり、色が改善した人は少なくありません。

 歯槽膿漏の改善には漢方が役立つことが多く、効果の試しの期間は、煎じ薬なら1、2週間から1カ月、顆粒剤や錠剤なら少し長引きます。

 ではどのような漢方薬が利用されるのでしょうか。入手しやすい顆粒剤や錠剤の漢方薬を紹介します。もしこれらで効果が見えにくければ、専門家に相談して煎じ薬を試すとよいでしょう。

●黄連解毒湯(おうれんげどくとう) 
歯茎からの出血がじわじわと止まらないものに

●甘露飲(かんろいん)
口臭があったり、歯茎が腫れたり痛んだりして、ただれている状態に

●三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう) 
舌が腫れたり、歯茎からの出血が続いたりして、便秘傾向の人に

●六味丸(ろくみがん)
口臭があったり、歯茎が赤くただれたりして、足が弱り、時に口の中が塩辛く感じる状態に

(北山進三)

posted by なつめ at 00:00| リビング新聞−漢方Q&A−