2019年02月02日

漢方薬の長所と短所について

関東では雪の予報が出ており、岡山でも北の方は一面真っ白だったそうで・・・。

寒いです(;ω;)

ですが明日は節分!

1月も終わり寒い冬もあっという間に過ぎていくことでしょう。

流行のインフルエンザにかかりませんよう、ご注意を〜!!

今週もリビング新聞(岡山)の「ここが知りたい漢方」の更新です(2019/2/2号)

漢方薬の剤型(煎薬、顆粒剤、錠剤)A.jpg

「漢方薬は体に優しい」「漢方薬は副作用が少ない」などという、良いイメージが多い漢方薬ですが、必ずしも良いことばかりではありません。

今回は、漢方の長所と短所について述べてみましょう。

代表的な長所には、次のようなものが挙げられます。

@西洋医学で対応しにくい病気の中に、漢方が効果を発揮するものが多くあります。

A副作用の心配が少ないといえます。

ただし、日本古来の漢方医学の考え方に従い、漢方薬を適切に選んだ場合に限ります。

B西洋薬とは異なり、症状を一時的に抑えるだけでなく、体を整えて自己治癒力を高めたりして、不都合な症状の根本的な改善に役立ちます。 

これらの漢方の長所は、病気で悩む人にとって大きな価値を持つはずです。

特に、西洋医学では治療が難しいとされている病気が、漢方で完治したり大幅に改善されたりする場合などは、漢方の存在意義の大きなものでしょう。

一方、短所には次のようなものが挙げられるでしょう。

@漢方薬の使い方は複雑なのでマニュアル化ができません。

現在では、漢方本来の使い方と効果を知る専門家は極めて少数で、漢方を深く学ぶ機会も非常に限られてしまっています。

A漢方薬は西洋薬ほど症状を一時的に抑える力が強くない場合が少なくありません。

また、効果を実感できるまでの期間や、効果の出方には個人によって大きな幅があります。

寿元堂薬局でも、長年悩んでいた症状に対して1服で大きな効果を実感できた例もありますが、効果が出るまでに2カ月以上要した例もありさまざまです。

B漢方によって手術を免れた人も少なくなく、打撲や頸椎(けいつい)捻挫などの漢方が得意な外傷もあります。

しかし、一般的には西洋医学のような優れた外科の手段がありません。

このように漢方にも長所と短所があります。

これらを理解し、自分に適した長所を持つものを、状況に応じて上手に利用しましょう。

(北山 恵理)

2019年01月26日

解毒、解熱に使われる忍冬

皆様、花粉症の症状出ていませんか?

暖かい日に花粉症の症状を訴えられる方、多いです!!

こんな1月末に花粉症の症状が起こるなんて信じられないという人も少なくなく、皆さん風邪なのか花粉症なのか、はたまた新しい不調なのか不安になって薬局にかけ込まれてきます。

花粉、飛んでいるんでしょうね・・・暖冬、恐るべし。

しかし、この週末は寒波が襲ってくるようです。

皆様ご自愛くださいね。

さて、今週のリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(31/1/26号)

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今年は暖冬といわれていますが、やはり冬の寒さは厳しいものです。

漢方薬の原料になる生薬(しょうやく)の忍冬(にんどう)は、冬の寒さに耐え忍ぶ様子が名前の由来だとされています。

忍冬はツル性植物であるスイカズラの茎や葉のことを指します。

常緑植物で冬が訪れても落葉し
ないため、その姿が昔の人々には寒さに耐えているように見えたのでしょう。

忍冬には解毒作用や解熱作用があるとされ、化膿性の皮膚症状などによく用いられる漢方薬に含まれます。

その中には治頭瘡一方(ちづそういっぽう)という漢方薬があり、便秘気味で比較的体力がある人の、顔面や頭部などにできる湿疹や水疱などの頭瘡と呼ばれる症状に適することが多い薬です。

また、スイカズラの花蕾(からい)は金銀花(きんぎんか)と呼ばれ、忍冬とは異なる生薬です。

5〜6月に咲く白い花が黄色く変化することが名前の由来だそうです。

忍冬と同様に解毒作用や解熱作用などがあるとされ、金銀花を含む漢方薬には、荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)があります。

これは、化膿性の湿疹やじんましんの改善に用いられることが多い十味敗毒散(じゅうみはいどくさん)の素となった処方です。

同じ植物でも、部位によって異なる生薬になることがあります。

それぞれの作用が異なる場合もありますので、専門家に相談しながら上手に利用しましょう。

(北山 恵理)
posted by なつめ at 16:02| リビング新聞−よもやま話−

2019年01月19日

漢方薬で月経不順になることがある?

こういう仕事をしていると自分自身が実験台ということもあり、不調があると漢方薬で対処する場合がほとんどです。

その中で、漢方薬を服用し始めて瞑眩(めんげん)と考えられる症状に驚いたことがあります。

瞑眩は副作用とよく間違われます。

両者の違いは、不都合な症状が出る期間でしょう。

不都合な症状が長引くようなら、それは瞑眩でも好転反応でもありませんのでご注意ください。

さて、今週のリビング新聞の漢方Q&A(2019/1/19号)の更新です。

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Q.漢方薬で月経不順になることがある?

慢性の頭痛、肩凝り、冷え症などの改善に漢方薬を飲んでいます。症状は良くなってきましたが、月経が乱れてきました。漢方薬の副作用なのでしょうか。
(38歳、女性)

A.よい副作用と瞑眩(めんげん)

 漢方薬を飲んで効果の出る人の多くは、不都合なことなく順調に症状がよくなっていきます。

 しかし、まれに不都合な症状が出ることがあります。副作用と瞑眩(めんげん)です。

 薬の副作用とは、目的とする作用とは別の作用で、一般には悪い作用のことを示します。

 漢方では、風邪には葛根湯などと病名だけで漢方薬を選んだときに、薬が体の状態に合わなくて不都合な副作用が出ることがあるようです。これが世間でいう漢方薬の副作用のほとんどです。

 しかし漢方家は、病名にあまりこだわらず、全身の状態に適した漢方薬を選ぶ努力をしますので、悪い副作用が出ることはまれで、むしろ目的とする症状以外の症状まで改善するよい副作用が出ることも多いのです。

 よい副作用の例には、不定愁訴の改善を求めた女性が、順調に改善したが、過去にはなかった月経不順が数カ月間続いた後、30日周期が28日周期に変わって全身の体調がよりよく整ったというものがあります。

 薬が合っているにもかかわらず、一時的に症状が悪化したり、予期しない症状が出たりすることを瞑眩といいます。

 瞑眩は副作用とは異なり、症状の改善が早まるために起こる作用です。一時的に症状が悪化したり、不都合な症状が出たりしますが長くは続かず、その後は症状の改善が早くなります。

 古くから「薬に瞑眩の症状が出なければ、その病は癒えない」という言葉もあるくらい瞑眩が望ましいものともされていますが、瞑眩が理解されにくい現代の漢方家はできるだけ瞑眩が出ないように努めていることが多いです。

 しかし、漢方薬に対する感受性の違いにより、やむを得ず瞑眩が出てしまうことがあるのです。

 瞑眩の例には次のようなものがあります。

 痒(かゆ)みの強い慢性の皮膚病が漢方薬を飲み始めて数日だけ湿疹が増悪して痒みが強くなった後で症状全体がよくなった。

 慢性の頭痛症の人が漢方薬を飲んで、かえって頭痛が強くなった後で、頭痛症が治った。

 月経困難症の改善のために漢方薬を飲んだ女性に、極めて強い月経痛が起こり、その後、月経痛を忘れてしまった。

 瞑眩は、一時的に症状が悪化しますが、通常は2〜3日以内、長くとも1週間以内に症状全体の速やかな改善がみられることが多いものです。

 副作用も瞑眩も多彩です。あなたの場合は、症状が改善されていることから、全身の状態がよいのでしたら、よい副作用の可能性が高く、月経の状態がよりよく整っていくことでしょう。

(北山進三)
posted by なつめ at 00:00| リビング新聞−漢方Q&A−