2019年01月07日

効果が表れるまでの期間の目安

皆様、七草粥は楽しまれたでしょうか?

疲れた胃腸をしっかり休めてくださいね。

今年は年末年始のお休みのが例年より長い方が多かったせいか、気が緩んだ瞬間に体の弱いところへ不調が出てきていらっしゃる現象を多く見かけました。

お仕事が始まった時より、緊張がふっと途切れた時にどっと疲れがやってきます。

皆様、どうぞご自愛ください。

今週もリビング新聞(岡山)の「ここが知りたい漢方」の更新です(2019/1/7号)

漢方薬の剤型(煎薬、顆粒剤、錠剤)A.jpg

「漢方薬は長く飲まないと効果が出ない」と思われていることが少なくありません。

今は西洋医学で治りにくい難しい病気の人が漢方を頼ることが多く、効果が表れるまでにある程度の期間がかかっても当然でしょう。

しかし、一般的に考えられているよりも意外なほど早く効果が表れる場合も多いものです。

長年患っている慢性病でも、漢方薬を飲んだ翌日から効果が出て驚くこともあります。

今回は、漢方薬を飲み始めてから効果が表れるまでの期間の目安を紹介しましょう。

風邪のような急性病の場合、即効性のある漢方薬が当然必要とされます。

通常1〜2日程度で効果が表れることが多いものです。

アトピー性皮膚炎や四肢のしびれ・痛みなどの慢性病の場合は、2週間〜1カ月程度で効果がみられることが多いでしょう。

しかし、長年経過して症状をこじらせてしまっている場合や効果の表れにくい場合などは、2〜3カ月続けてみることをお勧めします。

虚弱体質や冷え症など、体質改善を目的とするときにも、慢性病の場合と同様に考えればよいでしょう。

月経痛や月経不順などのように月経が関係する婦人病の場合は、飲み始めて少なくとも3回程度の生理の状態を観察して様子をみれば、効果を実感できる場合も多いものです。

潰瘍性大腸炎などの国が指定する難病でも漢方薬が効果を発揮することがあります。効果が分かりにくいことも多いため、最低でも2〜3カ月は服用した方がよいでしょう。

季節特有の花粉症の症状であれば、花粉の飛散シーズンに入る1〜2カ月前から漢方薬を飲み始
め、昨年の様子と比較するのも一つの方法です。 

病気も薬も多彩です。

西洋薬という大きな枠組みでは一概に効果の出る期間の目安を決めることができないのと同様に、漢方も一人一人の状態によって効果の出方の目安は異なります。

漢方の専門家に相談しながら、上手に漢方薬を利用しましょう。

(北山 恵理)

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます!

寿元堂薬局は本日より通常通り営業しております。

本年も寿元堂薬局をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2018年12月27日

疲労に用いられる漢方薬

あっという間に1年が終わりをむかえようとしています。

毎年、1年の終わりに「ここのお屠蘇が美味しい」とお屠蘇を買いに来られる方がいらっしゃいます。

新しい1年を迎える朝に寿元堂のお屠蘇を選んでくださるのは嬉しいことです。

今年も本当にあと少し。

心せわしい年の暮れですが、皆様ご自愛ください。

さて、今年最後のリビング新聞の漢方よもやま話の更新です(30/12/27号)

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複雑な現代社会では、さまざまなストレスのためか疲労を訴える人が増えています。

しかし、身体的な検査の異常を重視してきた西洋医学では、疲労には積極的に対応されていないのが現状です。

一方、漢方ではすべての体調不良の改善を目的としてきた歴史があります。

疲れやすい人や過労のために体調が良くない状態を、漢方では虚証の人とか虚の状態であるとして、身体を補う工夫を重ねてきました。

気力も体力も衰えてしまった時に用いることが多い十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)は、貧血傾向で食欲がなく、乾燥肌の傾向がある人に適することが多い薬です。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は気を益する補剤です。

胃を整え、身体の弱い人の疲れを癒やし、体力増強剤として虚弱体質の改善によく使われます。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)は普段から身体が虚弱で疲労しやすい人に適することが多い薬です。

全身の疲労倦怠(けんたい)感、腹痛、動悸(どうき)、寝汗、手足のほてりなどの症状を目標に用いられます。

子どもの虚弱体質の改善などにも用いられ、応用範囲の広い漢方薬です。 

ほかにも、疲労に用いられる漢方薬は多くありますが、疲労は慢性になる前に十分な休養を取ることが何より大切です。

それでも休めないときや、慢性的な疲労が続いているときなどは、漢方で上手に補えば楽になるでしょう。

(北山 恵理)

posted by なつめ at 17:55| リビング新聞−よもやま話−